チリ地震津波から60年


今年でチリ地震津波から60年が経った。1960年5月22日午後3時11分(現地時間)。チリ共和国で観測史上最も大きなM9.5の超巨大地震が発生。その津波が約22時間後に日本を襲った。この津波により残念ながら救えなかった命は全国で142名。そのうち岩手県大船渡市で53名、宮城県志津川町(現南三陸町)で41名と被害が大きかった。沖縄県名護市でも3名が命を落とした。


不気味な音で目覚めた朝 迫る津波、走って逃げた 「チリ地震」から60年 県内でも3人犠牲 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/575380 @theokinawatimesさんから

チリ地震津波など、遠隔地で発生した津波を特に「遠地津波」という。当時日本では国際的な津波観測網がまだ整備されていなかったので、津波襲来をうまく知らせることができなかった。そのことが津波災害の被害拡大につながった。被災地では地震がないのに、まさに不意打ちの津波。「地震=津波」のセオリーは通じなかった。そういった意味では当時この津波 ほど恐ろしいものはなかった。いまはどうか?観測網が整備された地域であれば、遠地津波でも多くの命を救うことができるだろう。一方、今回の東日本大震災津波 はどうか?過去に 「津波が来なかったから、大丈夫」「 防潮堤 もあるしここまでは津波は来ない」と思って避難せず、命を落とした方が多かった。福島県双葉郡浜野地区の菅本さんの自宅は海岸線から500m。幼い時にチリ地震津波を経験していた。その時は自宅から100mのところまで津波が来た。「今回も同じ程度だろう」と思い、避難しなかった。結果、同居していた母親は津波に飲まれ、命を落とした。いま最も教訓として残さなくてはいけないもの。それは『過去の経験にとらわれず、津波が来る前に高台へ避難すること』だ。


月命日(海外の地震)



10月11日は東日本大震災から数えて7年7ヶ月目の月命日。今朝は日本時間の早朝からM6~7クラスの地震が相次いだ。場所は以下の通り。


両地震ともに震源が約33㎞と浅く、津波の発生する恐れがあったが、幸いにも若干の海面変動で事なきを得た。ただ、遠隔地とはいえ、同じ環太平洋沿岸で発生しているのは気になるところだ。

ところで、今年も10月20日にインド女川学会が開催される。詳細はまた追って上げることにするが、震災の教訓を語り継ぎ、今後の防災減災を考えるキッカケになればと思う。(了)